2021.11.04 / FOCUS

Special interview tmh.

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TOMORROWLANDの『BRIDAL RING ORDER』。
さまざまなゲストを迎え、魅力をお届けしていきます。


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トゥモローランド 渋谷本店では、11月4日(木)から11月21日(日)の期間、『BRIDAL RING ORDER』を開催。
参加ブランドのひとつ、〈tmh.〉のデザイナー、古田智彦さんを迎え、TOMORROWLAND アクセサリーバイヤーの和田麻里子との対談でオーダージュエリーの魅力を掘り下げます。







tmh. デザイナー
古田智彦
@tmh._jewellery

早稲田大学法学部卒。
大学在学中より国内外でジュエリーデザイン・メイキングを学ぶ。

2009年 東京・恵比寿にてtmh.SLEEPをオープン。
2014年 現在の店舗 tmh.&L'INTERIEURをオープン。

美術、工芸、文学、社会など様々なジャンルや美醜を超えて、自身のアンテナを刺激するもの・ことを創造の糧に、シンプルながらも内省的なデザインや造形のジュエリー、オブジェ、プロダクトを生み出しています。






TOMORROWLAND バイヤー
和田麻里子
@mariko.wd

TOMORROWLANDのアクセサリーバイヤーを担当。 パッと目を引く華やかなスタイリングに合わせる アクセサリー遣いも他の人には真似できない唯一無二のバランス感覚。 凛としながらも華やかさと大人な遊び心がチャームポイント。





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―おふたりが最初に出会ったのはいつ頃でしょうか?お会いしたときに和田さんが印象に残ったリングについて教えてください。

古田智彦(以下 F):9〜10年前頃ですかね。"Touch Raw"のシリーズを見てくださったこと覚えてます。
和田麻里子(以下W):そうですね。初めてお会いした時に拝見した"Touch Raw"が衝撃的で、そこから少し時を経てトゥモローランド 渋谷本店でのお取り扱いが決まりました。お会いした頃から、"Touch Raw"が、人を魅了する力をすごく感じていますね。特にマリッジリングだと、普段のジュエリーとはまた違って、年齢を経てもずっと付けていくもの。自分の肌や服装、雰囲気が変わっても、普遍的に身につけられるものがマリッジリングを選ぶときのポイントになってくると思っていて。そうした時に、"Touch Raw"はパートナーふたりにとって、唯一無二の存在になるデザインとコンセプトだと感じてます。どのようにデザインを考えていったんですか?
F:ありがとうございます。このリングは、まずダイヤモンドの原石結晶ありきのリングなのですが、結晶の持つ美しさと自然の力が凝縮されたようなその存在に魅了されてしまって。だから、私にとっては、もうこのままでデザインの一部に取り込む必要もまったくない存在に感じたんです。なので、もしデザインするならば、その魅力を極力失わせないデザインが必須だなと思っていました。考えを深めていくうちに、もはや人目に触れないように秘めておく存在、自分だけが触れられる存在という感覚が大事に思えてきたんです。その感覚をダイレクトにデザインに繋げることによって"Touch Raw"のデザインが生まれました。


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Touch Raw
K18YG,K18PG,K18WG,Platinum,Raw diamond / ¥215,600(tax in)〜

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Touch Raw
K18YG,K18PG,K18WG,Platinum,Raw diamond / ¥215,600(tax in)〜

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Touch Raw
K18YG,K18PG,K18WG,Platinum,Raw diamond / ¥215,600(tax in)〜



―つける人にとってのお守りのような存在ですよね。"Secret" や "Pointed" のリングシリーズにも同じ感覚が秘められていて、オーガニックな力をリングにそのまま活かすことで自分に向き合うきっかけが生まれているように感じます。

F:もともとローマ時代からルネサンス期頃までの人間精神と錬金術が融合したような内なる力が感じられるリングが好きで、その錬金術的な凝縮感を現代のデザインに置き換えるとしたらどういうものがつくれるかと常々考えてきました。現代ではさまざまなことが非常に便利になり、そのことによって、私たちの生命力も感覚も鈍ってしまった。はたして現代を生きる自分がつくれるとしたら何ができるのか? そう考えたときに、自然界がつくりだしたままの物質のパワーを直に体感する"Touch Raw"は、一見非常にシンプルなデザインですが、内省的な意味を込めたデザインのリングとしても存在します。〈tmh.〉のジュエリーデザインのコンセプトとしても、そうしたシンプルな形態で物事の意味を問うことや、今までとは違う観点からの価値観をシンプルに視覚や触覚に提示することを大切にしています。
W:そういった強いブランドコンセプトが、お会いした頃から変わらず思い続けていらっしゃる姿が魅了的です。一般的にはジュエリーブランドはシーズンが決まっていて、シーズンごとのコンセプトを打ち出していくんですけれど、古田さんの場合はそのリズムではなく、ちゃんと社会に呼応して感じたものを新しくつくっていってるように感じます。
F:そうですね。以前はシーズンごとに発表していて、もちろん今も年に展開する型数はある程度決めていますが、最近になって従来のリズムよりも自分の中でまとまったタイミングで発表することを大事にしています。

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Pointed Ring
K18YG,Diamonds / ¥176,000(tax in)〜

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C-cret Ring
K18YG,Diamonds / ¥176,000(tax in)〜

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D-cret Ring
K18YG / ¥189,200(tax in)〜



―ジュエリーを展開するタイミングを変えていったのには何か起点があったのでしょうか?



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F:2011年の震災が起きて、2019年のパンデミック、その後の現実世界とSNS世界で起きる議論など、ここ10年間に世の中で起きたことが影響していますね。その間に、自分がジュエリーデザイナーとしてあるべきことを模索してきました。まさに5年前から発表している"Hotel 1478"シリーズを制作していた当時は、自分がジュエリーデザイナーであることの価値が見出せなかったんです。 SNSの普及によって社会問題や政治への関心も高まり、教育や社会保障の破綻などが目の当たりにされるようになった中で、今までの自分の活動の仕方にも疑問を抱くようになったんです。"Hotel 1478"のシリーズは2年間ほど続き、その間にまた新たなジュエリーを作ることへの意味と意欲が醸成されていきました。そこから"INDIVIDUALISM/DIVIDUALISM"のシリーズを始めることになりました。

W:思考を深めたり、デザインの造形を極めていくにあたって影響を受けたものなどありますか?
211105_bridalinterview_tmh_book.jpg F:根本としてやはり古い時代のリングが好きなので、それらのもつ洗練されすぎていないプリミティヴな造形は非常に参考になりますね。思想としては平野啓一郎さんによる『私とは何か』や、ブレイディ みかこさんによる 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、ヤマザキマリさんととり・みきさんによる合作漫画『プリニウス』などに触発されることが多かったです。 最近だと、ステイホーム期間中に見ていた写真家・アンドレ・ケルテスによる写真集『A Ma Fenetre / From My Window』にとても共感しました。写真集自体は、アンドレ氏の奥さんが他界した後、部屋にひとりでこもって奥さんとの思い出を回想していくポラロイドが並んでいるんですが、どれも窓辺で撮影されていて。その情景が、ステイホーム中の自分の境遇に非常に響いてしまって、この時も"from my window" という"INDIVIDUALISM/DIVIDUALISM"シリーズのリングを発表しました。





―先ほどお話ししてくださったジュエリーデザイナーとしてのあり方がここ10年で変わったこと、それに伴い、3年前から新たに始めた"INDIVIDUALISM/DIVIDUALISM"のシリーズについて教えてください。

F:このシリーズのテーマは「思考すること、エンパシーを持つこと」です。美しさとかカッコよさとか癒しというような耽美的な感覚を提示するだけでなく、政治やこれからの社会の在り方に対するしっかりした思考が根底にありながら、個々の人間精神にフォーカスしたものづくりが目的です。タイトルをそのまま和訳すると「個人主義 / 分人主義」になっていて。「自らの頭で考えて行動に移して切り開く力 / 複雑化した現代社会で生きていけるように人は様々な顔を持ち合わせている」 という2つの意味を表しています。その相反するようなふたつの言葉を自分なりに解釈したのがテーマにつながりました。内省的でありながら、人間力を高め、生きる力の糧に繋がるものづくりがいま大事になってきているように感じていて。だからこそつくり手である自分自身にとっても、手にしてくれる人にとっても、思考を促すきっかけになるようなリングを作りたいと思った時に生まれたシリーズです。

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EROS - Adam, Eve, Cherubim
K18YG / ¥152,900(tax in)〜

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PSYCHE
Platinum / ¥210,100(tax in)〜

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PSYCHE
K18YG / ¥194,700(tax in)〜

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OUROBOROS
K18YG / ¥200,200(tax in)〜

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OUROBOROS
Platinum / ¥215,600(tax in)〜




―そうした日々がめまぐるしく変化する世の中において、ブライダルリングとして〈tmh.〉のリングをふたりで身に着ける際にどのような存在であってほしいですか?

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F:「人間は一人で生きていけない弱い存在であるから、互いがなくてはならない助け手になれたらいい。より良き社会はその延長なんだ。」という内容を、NPOで社会活動をされている牧師の奥田知志さんがある記事でおっしゃられていて非常に大事だなと思いました。複雑化しながらもあっけなさもある今の社会ですが、物事にしっかりと向き合い考え切り拓いていくためのふたりのお守りのような存在になれたら嬉しいです。

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NEWS 『BRIDAL RING ORDER』







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FOCUS 『HOW TO "RING ORDER"』





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