2020.04.28 / FOCUS

Side B - the essence of tomorrowland -
Chapter.1
「Visiting Old / Learn New」

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Side B - the essence of tomorrowland -



すべての物事には多角的な側面があります。
それはコインの裏表のように、不可分な関係性を持っているもの。
分かりやすい部分をA面とするなら、深堀りしたり、一見すると見過ごしてしまいがちなのがB面。
本項ではそんな「Side B」にフォーカスしていきます。


Visiting Old / Learn New



故きを温ねて新しきを知る。
それは昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと。
トゥモローランドスタッフによる温故知新を語ってもらいました。








Vol.2

「LINEN POLYESTER KERSEY SET UP」





kawabe_.jpg 川辺圭一郎
TOMORROWLAND メンズプレス

吉祥寺店、丸の内店での勤務を経てメンズプレスに。
ドレススタイルから、カジュアルスタイルまでカバーする守備範囲の持ち主。日々新しい音楽や映画を掘り下げ追求している、カルチャー好きな一面も。

「制限のある中でどう表現するのかがドレスの楽しみ」


今日お持ちしたのは〈CARUSO〉のアンコンスーツです。1958年パルマに設立された比較的新しいブランドながら、クラシックなスタイルへの敬意を感じられる部分が気に入っていて、しっかり身なりを整えたい時を中心に着用してきました。近年では嗜好品としてのスーツのこだわりはより顕著になり、オーダーメイド件数も増加傾向にあります。それと同時にカジュアルとのクロスオーバーも進んでおり、多用な価値観と選択肢が混在している流れがあります。やはりスーツスタイルを楽しむ際には、少ないアイテム数(セットアップ、シャツ、タイ、シューズ)の中でどうコーディネートを構築するかが命題になってきます。色や素材選びとそのバランス、TPOや自分の体型やキャラを把握していないとしっくり来ません。歴史がある分野でもあるので一定のルールに則った先に表現することが肝要だと私は捉えています。



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「何事も基本が大事」


歌舞伎や落語といった伝統芸能では、とことんまで基本を身に着け型を会得した者にしか個性を出すことが奨励されないという話を聞いたことがあります。ドレスも似た部分があり、そもそも階級社会の中にある西洋衣料史を紐解いてみても、まずは自分の身の丈に合ったものを選び、成熟させていく文化があります。着崩す、という言葉が使われるようになって久しいですが、「ちゃんと着崩す」ためには基本やルールを熟知していないと軽薄になるリスクがあるのではないでしょうか。型破り、という言葉も型をマスターしているからこそ成り立つものですからね。もちろんコスプレしている訳でもないですし、歴史研究家でもないのですが、ルーツや基本を知っている方がよりファッションを奥深く楽しめると思っています。



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「本物は所有欲を満たしてくれる」


前置きが些か長くなってしまいましたが、前述の〈CARUSO〉とリンクするものとして、新作のリネンポリエステルカルゼのセットアップをご紹介します。こちら上下を合わせて着るのはもちろんなのですが、それぞれが単品でも機能するよう練り込まれたもの。ジャケットはブルゾンライクなボックスシルエットで仕立てており、軽く羽織っていただくだけで雰囲気を変えることができます。基本的にオーセンティックなスーツですと、肩幅が合っていることが最重要で皺が入らないよう留意しますが、カジュアルアプローチのこちらではストンと落ちる着心地がポイントになります。個人的にはフロントボタンを留める箇所が下だけというのに溜飲が下がりますね。これは上まで閉めてしまうとウエストが絞り込まれてしまうために敢えて備えていないという割り切りに起因するもの。意図した美しいシルエットにならないからと大胆に省いているんです。


一方のパンツは随所にマリンパンツやミリタリーモチーフのディテールを取り入れ、履き心地の良さを担保しつつもスタイリッシュに見えるテーパード具合を実現。さり気なく洗練されたシルエットを生み出しています。大げさな言い方になってしまうかも知れませんが、男のワードローブとしてこういった細かな部分にまで理由や歴史といった語れる何かが存在するものに惹かれる事が多いです。購入時がピークではなく、末永く着る度に所有欲を満たしてくれるポイントがあるのは大事だと思います。



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「共通するのはアンビバレンスなアプローチ」


今回ご紹介させていただいた2つのアイテムは、大凡でセットアップという共通項で括っています。それに加え、クラシックを下敷きにルールを熟知した作り手が、今の気分やディテールを取り入れて今日的な解釈をしている部分で本質的なシンクロを感じました。伝統と革新、規則と自由など相反するようで地続きで共存するものが内包されているからこそ、着用した時の体感値が変わってくるのではないでしょうか。トゥモローランドも〈CARUSO〉も歴史に裏打ちされたアプローチ手法が根底にあるからこそ、色褪せないエレガンスを感じられるのだという気がします。





「スタイリングは常にトライ&エラー」


そもそもファッションに興味を持ったきっかけがイギリスの音楽や映画なので、ジャケットは欠かせないアイテムでした。若い頃は服に着られることも多く、諸先輩方のスタイルや指導によって最近ようやくスタイルの輪郭が見えてきたかなと。プレスという職業柄もありますが、変なフィルターをかけることなく貪欲にインプットをするように心がけています。自分の好きな軸は頑固に、でも柔軟にというスタンスを結実させるために個人のインスタグラムを活用しています。やはり社内外から直でリアクションがいただけますし、試して失敗して修正してっていうのを楽しみながら続けています。よろしければぜひ、ご覧になっていただけたら幸いです。

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@keiichiro_kawabe


LINEN POLYESTER CARUSE SET UP






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